MCが終わり、Bも片づき、MMのレイアウトを横目で見ながらSVの原稿について考えている。考えている間に陽は傾きはじめ、さすがに3日も換気ひとつしていないのは悪いだろうとカーテンを開け放ち、なだれ込む外気に身を晒す。疲れた。店屋ものの食器と野菜ジュースの空き缶ばかりがキッチンに列をなしていく。少し立ち上がって部屋をかたす。深澤君ゴメン、まったく書けてないよ。仕事を始めてはじめて、本気で落とすかもしれない。あとカンキくん企画書ありがとう。考えてるんでよろしく。牛久保はあの話なくなっちゃったのかな。美咲、そろそろ一緒に仕事しようぜ。なんでこんなに仕事に押しつぶされそうになっているのに次々と新しい仕事を入れてしまうんだろう。晩、気分転換に食事に出る。元回転、現在はコンベアに白木の板が被せられた寿司屋。江戸前の教養を正しく感じさせる職人なのだが、なぜこんな回転崩れの店にいるのか。モスバーガーで50歳くらいのバイトのおっさんを見たときのような切なさに包まれる。戻ってきてヴィヴァルディを掛けてみるがやっぱり書けない。