教習最後の日。朝イチでいままでのおさらいをグルッとして、1時限空いて第2段階のミキワメ。最後の最後になって初めて当たる教官で、どんなトーン&マナーの人だかやや緊張したが、レイバン&オールバックのルックスにそぐわず(いやマッチして?)おおらかな人だったので気楽に臨めた。上の息子さんは東京へ2年出て戻ってきたが、下の息子は東京の大学への体育推薦の話を断ってすぐに地元の警察に勤めた、結局戻ってくるんだから一緒のことだが、迷いがないぶん下はなにやらしっかりしているようだ。とか、長女は23でそろそろ婚期だ俺には言わないが案の定彼氏がいるらしい、俺が女房と一緒になったとき式で女房の親父が泣いていて、俺も娘ができたらあんな風に泣くのかな、と思っていたがあっという間に泣く番がやってきちまった。とか、そんな話。

お兄さんは何、学生? と聞かれてしまい、ハハハそんな30の声を聞こうかという歳なのに、と苦笑する。しかし彼の目が節穴なわけではなく、なんと先日(レモンガスの日)、深夜コンビニに行こうと道を歩いていたら脇にパトカーがすーっと停まり、君いくつ?! 煙草吸って良いの?! とたしなめられたばっかりなのだった。どうやらここ千倉ではオトナはオトナ然としているのが圧倒的にスタンダードであり、ちゃらんぽらんな風体をしてられるのもせいぜい学生のうちであり、しかも通学圏内に大学などほとんどないから、自動的にちゃらんぽらん→未成年という回路なのであった。参った。教習所に戻って車庫入れや縦列をおさらいし、卒検では慌てないようにすれば問題ないでしょう、ということでハンコ。これですべておしまい。

訓練機関としての教習所、というのを考えたとき、一般にはすごくバカにされててあんなもんササッと言われたとおりこなしとけばいいし役に立つことなんて教えてくれるわけがねえ、というのがコモンセンスになってそうだけど、そして実際教本に沿ったカリキュラムにおいてはそんな感じだったけど、それでも教官が教本からはみ出てつぶやくいくつかのtipsには、ものすごく有用な、浸透すれば事故だって減っちゃうようなものがあった。しかしその多くが超法規的なものであり、警察の出先機関みたいになっちゃっている教習所としては結局オフィシャルには教えられないわけで、そこらへんがもどかしい。少なくとも隣に突っ込み可能な他人を乗せてドライブする、という行為自体は、ビギナーにとってものすごく気づきに溢れた時間になる可能性を持ってるのに、惜しい。たとえば教官と生徒の役を逆にしてみるケーススタディはどうだろうか。「はいバアちゃん左側気を付けてー」とか生徒がいい気になって言うの。もうありそうだなあ。

お昼のバスで東京に戻るつもりだったんだけど、ちらっと覗いたらこれまたイイ波入ってて、とてもじゃないけど帰る気になれない。ちょっと面がざわついているが、マイルドでそこそこのサイズ。日曜の割に人も少ないので、いちばん右手の堤防際から入る。ここのところ一時の進歩が嘘のように乗れていなかったのだが、それがまた嘘のように乗れてしまう。相変わらずワンアクション、つまりボトムターンしかできないけど、まあ当分はこんなもんだろう。時間を忘れて乗る。楽しくて仕方がない。<62回目>千倉、微サイドオン、腹、ややトロ、2時間ちょい。

15時16分の最終バスに間に合わせるため、上がって慌てて着替える。Tさんが停留所のある町役場までデリカで送ってくれて、ちょうど通りかかった教習所の生徒さんといっしょに見送ってくれる。日曜の最終ということもあり、高速バスはすでに2両編成。けっこう混んでいて、1両目はもう満員、予約を入れていなかった俺は2両目のいちばん後ろの席に回される。あとはもうお馴染みの道を通って帰宅。ウェットスーツとサーフボードを除く大半の荷物を引き揚げてきたので、東京駅から自宅までがけっこうツラかった。ここんとこ部屋は掃除も洗濯もできていないので散らかり放題だが、仕事の催促が早速入り、やはりハウスキーピングに構っていられない。遅くに呼び出しがかかり、代官山へ。ちょっと面白いことがあったのだが、諸事情あって書けない。会った人には大笑いで話すだろう。