東海沖を通過中の低気圧のおかげでうねりの向きが変わって、湘南にも波が。というわけで辻堂へゴー。思ったよりサイズはないけど、まあヘタレには十分。と思ってたんだけど、なんかうねりのパワーも砂の堆積もこないだとはずいぶん違って、えらいワイドでダンパーなブレイク。波を見る目が養われていないので、サイズに釣られて大き目のにテイクオフしてしまうと、ゴシャーンと崩れて海底に叩きつけられる。首の骨折るかと思った。あと左から右への流れがけっこう強くて、ちょっとバテてるとすぐに具合のいい場所から離されてしまう。流される先は小さな潮目みたいなところで、要するにゴミとかが集まってきて溜まって浮くエリアなんだけど、ヘタレも同様ここに集まってくるわけだ。で、ここから出ようとすると流れに逆らわなければならず、さらにこのエリアでは波が崩れないため、乗って浜に上がるわけにもいかず、一瞬トホホな気分になる。この小さなブラックホールをものともしないくらいの腕力がほしい。

それでもエンヤコラやっていたら、1度だけ、うっわーこれは、と思うような瞬間到来。レール入った。2秒くらいの間だけだけど、はっきりと。なんつうのかな、あの、昔、立体視ってあったじゃない。あれ初めて合焦したときって、うっわーって思わなかった? こう、目の前にあるものは変わってないのにいままでとは違うものが見えてる、っていう世界発見の瞬間ね。あれに近い感覚、しかもフィジカルで。だいたいサーフィンやっていてですね、もう俺とかろくなことないわけですよ。金なくなってくし、土日丸つぶれだし、ハロモニ見られないし、そんでヘタクソだし、寒いし、疲れるし、渋滞するし、一円にもならない。こう、沖の方でバシンバシンやってるうまい人たちは楽しいだろうけどさ、俺の段階じゃライディング自体が楽しいなんてそうそうない。でも、さっき書いたようなうっわーってステッピンナップが何回かに一度あって、それはやっぱり、ちょっとよそでは得られないうっひょーって感じなのね。いいもんだよ、いや素で。あと1度すごい酷い前乗りをして上手い人とぶつかってしまって、殺されるかと思ったけど謝ったら許してくれた。たぶんすごい情けない顔してたせいだと思う(笑)。<36回目>辻堂西、弱オン、モモ腰、ワイド&ダンパー、3時間半。

帰りにはもう低気圧の雨が降ってきて、家に着いた頃には本降り。ビデオ。ジョン・ウォーターズのヘアスプレー。予想外に最高。デブと黒ンボとホワイトトラッシュにまつわる虐げられた者ムービーだけど、衒いがなくてかなり好き。もちろんウォーターズだからゲロもゴキブリも出てきて、正しい心が悪趣味に宿る現象について考えさせられる。それともうひとつ、オールディーズが流れていた時代、アメリカは(そしてロンドンも東京も)世界が小さかったということがわかる。通信の、交通の問題もあるだろうけど、それ以上に単純に人口が少なかったんじゃないかと思う(米国・50年1億5200万→2000年2億8100万人)。あともうひとつ、黒人音楽が白人のために供されてきた背景(たとえばモータウンの台頭)についてとても納得の行く描かれ方がされていて、ははーんって思った。

血と薔薇が復刻されるそうでたいへん感慨深いですが、えーと、そんな金と暇あったら新しいもん作ろうよ、というのも正直な気持ちです。別に買いにくいものじゃなかったし。あとファン以外はあんまり期待して見ないほうがいいと思う。がっかりするから。まあでも、ファン以外手にとらねえか。麗しき反自然の季節(笑)。