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フレッシュフルーツの効果もむなしくひさしぶりにわーってなっちゃって、安定剤と眠剤を噛み噛み、2日半ほど泥のように寝ていた。まあ久しぶりに会った旧友というか、よーごぶさたーってなもんなんだけど(この1万倍くらいのが毎日押し寄せているみなさんにお見舞いのエールを送ります)、ペン大も休んじゃったし、打ち合わせもぜんぶキャンセル。でも延滞料金が怖いのでツタヤにだけは行った。なにしろ1日で1800円だもの。古今に寄って牛久保が置いてってくれたビデオをピックアップし、帰ると椎名が遊びに来た。

さすがつきあいの長い、そして誕生日がいっしょな連れは頼りがいあるもので、顔を見るなり酷い顔ですよと言われたけど、わーってなっちゃった原因をようやく誰かに話すことができて、だんだん元気が出てきた。そんなところに牛久保テープ、すなわち鴛鴦歌合戦があったわけだ。もう俺単純だからさ、もうすごい一発で元気になっちゃって。カラッとしてて、朗らか、愉快。♪こーれこれこれこの茶碗。ほんともろもろ吹っ飛ばされちゃって、もう後半とか踊りながら見てて、ぽろぽろ泣いちゃったりして、お春さんいちいちキャワユイしさー、すっかり救い上げられたよ。エンタテインメント、いやエンターテイメントって書こう(笑)、そのエッセンスを身に受けて、重くもたれていた脳味噌が洗い流された。しばらくエンターテイメントがブームだと思う。エンターテイメント、エンターテイメント!

動けるようになったところで椎名のクルマでひと流し。この秋結婚することが決まったT坊の新居に寄って、名のある家どうしの結婚もたいへんなことだなあ、と少しその気苦労を知る。帰宅するともうリョウタさんがソファに居て、ヤンマガとモーニングを読み終えた頃。打ち合わせ少々。その後、実家から届いた古いビデオを見たんだけど、そのうちの1本がもう壮絶で、ちょっとここにうまく書けない。ねるとん後藤久美子沢口靖子岡村ちゃん工藤静香エンリケとかれんちゃんと松ボーその他が、細切れで映っていた。90年代に日本はすごくがんばったし、おかげでいろんなことがちゃんとして息苦しくなっちゃったけど、やっぱり小沢小山田は偉かったと思った。4時頃、タバタから電話。いやー下手なキャバよりオカマバーのほうがいいわこりゃ! とか現場の効果音つきで。

80'sに当てられてぐったりのリョタさんと椎名が帰ってからムーラン・ルージュ見て、ひと寝入りしたらもうタモ近く。タバタの足音に吠えるジャリに起こされ、慌てて身支度を整え、海へ。今日はどこも寂しい波だったけど、海辺にクルマを停められる東浪見を選び、サクサクと着替える。なんか恐れてた割に2月に入ってからぜんぜん寒さが緩んでいて、水はちょっと冷たいものの楽勝楽勝。とにかく12月21日、みぞれ混じりの中入った作田の寒さがエクストリームな体験として刻み込まれていて、あれを思えばこんくらいなんのことはない。前半にひさしぶりのステップアップ感。けっこう空いてたんだけど、たまたまゲティンアウト最中の人が進路にいて、やっべぶつかるー、と泣きそうになったらレールが入ったのだ。こんなはっきりグイッて曲がったのは初めての感覚で、なんか必要は発明の、みたいないい話だにゃ〜我ながら。後半は腕が上がっちゃってさっぱり。筋力もバランスも心肺も、あらゆる面でフィジカル弱すぎ。絞って鍛えること。あとテイクオフの時にレール掴むクセを直すこと。<26回目>東浪見、ヒザモモ、力無くトロい、ほぼ無風、2時間半。

帰り、椎名がテレビをくれるというので、王子に引っ越してから初めて寄る。葛西から乗ったC2、だからえーと中央環状線は、あからさまにC1とは交通法規が異なっており、端的に言えばガラが悪い。サーフィンを始めてからあらためて知ることになったのは、道路にしろ海にしろ、ガメツイ人、というのは世の中にけっこういるということで、これにどう対処して良いのかは目下タバタと俺とのメイン議題だ。ヤッタルデー精神みたいなものを単純にバカにしてれば済んだ学生時代とは違い、無理な割り込みや波の取り合いという具体的な脅威を前にしているからには、ふふんと澄ましているわけにはいかない。かといってヤッタルデ・スピリットが一朝一夕に乗り移るものではなし、そもそも人を押しのける図太さや無骨さといった素養には欠けまくっているウサギちゃんたちとしては、仕事ではとても優しくふんわりと扱ってもらっているだけに、どう振る舞って良いのか方向性さえも見いだせない。すでにほぼ国際問題の話になっているわけだが。