開けっ放しの窓から飛び込んでくる任侠右翼の街宣カーから流れるお馴染みのアレ、出征兵士を送る歌(かん〜こーはたか〜く、てん〜をーつく、いざいけー、つわものー、にっぽ〜んだーんーじー)で目が覚めた。いい目覚めだ(笑)。禍々しいドップラー効果とともに後頭部の鈍痛を感じる。ポリティクスの現場へようこそ。糞食らえ。

急ぎの原稿があるのでまずはそれに手をつける。タバコの量が増えているうえに、妙に急かされてるような自分のムードに気づいて、鉄観音じゃ控えめだと思い茉莉花茶を淹れる。が、ちょっと気分より上物すぎた。ケミカルな着香料だけで香りづけした、日本酒ならペットボトルに入っているやつみたいな、ダンピングマインドに満ちたものが欲しいときもある。吟醸香に気が滅入るときもある。ファックなことだけど、要するに、僕は朝っぱらからレーションが食べたいような気分だったのだ。何かに引きずられていたせいだと思う。一春龍珠の花の香りが、トラッシュを求める心と火花を散らして、頭の中がひどく混乱状態だ。非の打ちどころのない、うんざりするようなフローラルブーケ。花を愛でる気持ちと、それ以外のすべてが渦巻く。

今日はテレビを消して過ごした。こっちがゴタゴタで世はこともなし、と思うのがいつものことなんだけど、今日はその逆。俺はこともなし、を決め込むことにする。仕事にひと区切りつけて、ジャリの散歩へ。古今に寄って、永瀬くんと与太話をして、帰って食事を作って(ニョッキに挑戦。65点)、食後にお茶を淹れて、また仕事。どちらもまだ兆候はないけど、ハゲより痔のほうが恐ろしい。ちなみに父はハゲで白髪で心筋梗塞持ちの痔主だ(笑)。僕はそのすべてが降りかかってくるか、唯一父が回避した糖尿に襲われれるかのどっちかだと勝手に思っている。