地獄のように苦しんだ原稿からようやく脱した。ここ4日間、リョウタさんが来たり山口くんが来たり椎名が来たり若月が来たり打ち合わせに行ったりその帰りにカギをなくしたりとそれなりに動きはあったんだけど、とにかくこの原稿に延々苦しめられ、延々机の前から離れることができずにいた。1200文字。普段なら40分もあれば完パケる原稿量だ。それが、まったく書けない。このくらいの原稿は過去に100本や150本は書き飛ばしているはずなのだが、途中まで3回も書いてどうにもならくなくて捨てたなんて過去に例がない。小説家と違って創作ではないのだから、ハナから書くべきことは揃っているというのに。

この仕事をやっていてこんなに苦しんだことは初めてで、普段みたいにスケジュール調整とギリギリ病に起因する書けない、書いてないと状況とはあまりにも異なり、苦さの中の甘み、というと叱られそうだけど、うわーやんなきゃキャーみたいなハイになる感じがまったくなく、ただただ陰鬱で気が滅入った。しかしもうどうにもならない時期に突入してしまい、まさかページ落とすわけにもいかないのでちょっとズルをして書き始めたところ、1時間くらいでなんとか形になった。いま恐ろしいほどうつろな気分で、仕事後のこんな気分も始めてだ。

書くべきことがいくつかあるような気がするけど、今日は無理です。

ミルハウザーの新刊出ましたね。


<追記>
ここのところ何度か言及したエクレクと娘。新曲に共通した感触、ファーストタッチはなんかパッとしないで不安になって、あとでその気持ちがどんどん変性していくマジックについて、スピリッツの昴が描いているらしい(未見)。もし僕のなかでもやもやしていてうまく言い表せないことがサクッとマンガになっていたらいいなあ、と思う。それと、この受容コントロールの手法は、すごく難しいと同時に、これからメインストリームにしばしば登場してくるような気がしている。21世紀的、といってもいいのかもしれない。まずは月曜の昴を待とう。