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博士! 僕は大発見をしました! いつも締め切りギリギリにならないと仕事に取りかかれない、他人に多大な迷惑を怒りのタネを撒き散らした挙げ句、結局締め切りを破ってしまう、というアナタに朗報! 背中がちりちりするような焦燥感がないと何にも取りかかれないのはビョーキです。病名はたぶんグズといいます。そんで、それの特効薬。行くよ。シャワー出しっぱで仕事に取りかかりましょう。もちろん終わるまで席を立ってはいけません。なんてことでしょう、このエコロジー世紀に何の役目も果たさないまま排水溝に吸い込まれていく水道水、そして熱エネルギー! ガス代、水道代が頭をよぎります。止めなきゃ! でも仕事が、、、。アタフタしてきました。さあ、仕事です。
3度目で慣れてしまった。アイデア賞は園児級。
熱もほぼ引き、体は動くように。ノドだけダメ。相変わらず声が出ない。みるくのときの宇川くんを思い出す。しかしながら今日は歯医者の予約が入っている。みっちり2時間半。最後に、やはり、まあ仕方ないんだろうなあ、魚雷が放たれた。カラキさん、ウワモノどうします?「松竹梅で言うと?」松=インプラント+ゴールド・セラミック・クラウン+セラミック詰め物)が120まんえーん、竹=ブリッ… 「ぜんぶほけんちりょうでおねがいします」
まあわかるよ、保険治療だけじゃトントンがいいとこの業界だ。自費の客をひとりでも多く取りたいよな。でもこんな貧相な坊主カモらなくてもいいじゃん。ていうか切り出す顔が怯えてたよ。下の歯は笑うと見えるから、とか、色がいい、とか、それ営業になってるつもりなのかなあ、自分的に。でもまあ、自費を断っちゃった以上、もう根治に気合い入らないんだろうなあ。まったくもう、これだからデンタルなヤツらってのは・・・。
もともと今日は、行きの電車からして前回とまったく同じ路線、同じ時間帯なのに、もう大ファックな気分になっており、大ファックなことより、世界中のあらゆる物がラブリーで同時にファックだってことをあらためて強く認識することになった。電車の乗り換えで待たされてるホームで、そうそうこの無為さ、この風こそが私鉄よ! って思うのと、小田急クソダイヤ組みやがって死ね! って思うのは同じことだ。ストローハットをかぶったループタイの男性に、凪いだ暮らしと小さな誇りを見ようが、こんなデクノボーここまで生かしとく世界の緩さを見ようが同じことだ。向かいの席に座った中年女性の姿を見て、苦みを伴った大らかさを愛でようが、汚らわしい記憶の積算に唾しようが同じことだ。問題はそこに対象がいることを確かめ、気持ちが動く・もしくは動かないことだけであり、それがどっち向きに振れたのか、ではない。そして別に振れた方がいい、というわけでもなく、振れなくたってそれはそれで、いい。要するに世界はこともなし、だ。という気になって帰ってくる。
下北で下りてTに寄りお茶。大好きな店長さんと過ごすしやわせのひとときに癒されまくり。ここだけだよ、僕が癒し、なんて言葉を本気で使うのは! もうくふくふ笑いながら店を出て、フィクショネール(だっけ?)でコミーのエッセイと獅子文六。モッピー&ナナでジャリのフードを買い(宅配エリアからちょこっと外れているのだが、申し出たら次回から配達してくれることになった)、大阪屋でたこ焼き。駅前でジャリと同じトイマンを見かけ、オヤと思い飼い主を見ると、僕がトイマンを飼うことを決心するに至る直接のきっかけとなった箕浦さんだった。犬の名前はあめ。ひさしぶりじゃんかー。獣医さんやフローリングによるヒジ・ヒザのタコなどについて、立ち話10分。
帰宅して、済ませなければいけない仕事が1本あったのだが、痛み止めが効きすぎて倒れ込んでしまった。カゼのせいもあるのだろう。目覚めるともう日にちが変わっており、慌てて出支度を整えて大谷くん主宰のエスプレッソ出版イベントへ。アブストラクト方面は僕はさっぱりわからない。ただ面白いところが散見できて、そのところどころヒットする感じはプロレス、それもインディーズ方面のを見ているときに近い。興味はさっぱり持てないけど、あるアイデアの符号に対して、瞬間、おほー、と思うのだ。
大音量のサイン波にジャリがむずかりだしたので、早々に退出する。ちなみにディストーションギターを含め、自然音、というか非線形的波形の大音量には、かなりタフなほうだ。なにせDJブース、各種パーティ、バー、スタジオを連れ回して育てたのだから。Nonに寄り、荒木くんと宮崎くん、その彼女のマチコちゃんと合流して、知り合いのパーティをやっている芝浦のCUBEとかいうデカバコに行く。EMMAさんだった。
ビルの1階から6階までを使った3フロア構成、しかも芝浦という立地。なんとなーく行く前から想像ついていたけど、まあ、えーと、切なーい感じだった。サウンドは空間の大きな音づくりを志向しており、簡単に言えばパラガ(not豊田)スタイル。わかってるよ、アレをもう一度やりたいんだろ? でも無理さ。みんな疲れすぎている。みんなはっちゃけられない体になってしまっている。退廃や虚無でなく、ニセの達観の中にだけニセの熱狂が立ち現れる時代なんだ。ちなみに資本はジュリアナ方面とのこと。改めて切ない。悲しくてやりきれなくなって、向かった先は、築地だ。
言うまでもないだろう。築地は、最高だ。これについてはもう僕がとやかく言う筋合いのことじゃない。すべてがサプライジングで、最高にハイな気分になって路地を歩き回る。荒木くんおすすめの寿司屋に入る。ちょっとチェーン店じみた内装に一瞬心配になったけれど、出てきた寿司は、うははははは。歯の痛みも忘れました。味覚落ちてるはずなんだけど、いやもう、ほんとに。ちなみに誰かのオーダーでつまんだタラバガニと中トロの寿司だけはアベレージって感じで、こういうとこではあんま食うべきじゃないな、と思った。素晴らしかったのは貝類、とにかく貝類、そして青物。たらふく食って、家まで送ってもらって、そんで今これを書いている。これから原稿を1本書いて、ようやく眠れる。