新手のゲリラ戦みたいのを見て、世の中は口先ばかりじゃなくほんとに進んでいくもんなんだと思った。世の中のつまみがクリッと音を立てて、ひとつ次のダイヤルに入った瞬間を見たのは初めてだ。もう、ひとつ前のつまみに合わせたエフェクトじゃ、世界の像がぼやけてしまう。ノイズと共鳴に注意して、奏でる音をイメージするんだ。いっそのこと、エフェクツなんか取り払ってしまおうか。そしたらどんな音が出るのか、お楽しみ。

そんでそのダイヤルがどこにあるのかなんて、知らないけど。がれきの山に? ウォール街に? 財布の中に? 僕はたぶん、月の裏側にあるんだと思います。月の裏で会いましょう。僕はたぶん、澱んで見えない釣り堀の底にあるんだと思います。エサのない針で、糸を垂れましょう。なにがかかるかは、お楽しみ。