えーと、声をかけていただいて仕事が発生しそうな会社(いきなり微妙な日本語だ)の人から誘われて、鎌倉の花火大会に。まあ半分は陣取り要員として呼ばれたわけで、3時間前から材木座にいたのだけれど、本番も良かったけどさ、この待ち時間、すごく良かった。僕は劇場に映画を見に行く楽しみの3割くらいは(駄作なら5割・笑)上映前のロビーのざわめき、席について客殿が落ちる瞬間のときめきのさざなみ、にあると思っているので、それのオープンエアー波音つき拡大版を堪能したってわけだ。上がるのあそらへん? あの船から打ち上げるの? 風こっち向きじゃん、灰飛んでこねえ? 今日が花火大会であることを告げる音だけの花火が打ち上げられる。その煙の行方を僕はぼんやり見つめている。

船が走り抜けながら花火を投下していく、水中花火、というやつは初めて見たのだけれど、割と岸よりに落として行くので思わずのけぞったほど。音も近くて、けっこう暴力的な趣すら漂わす。しかし花火師はヘヴィな仕事だね、いや打ち上げもそうだけど、なんつうのかな、ものすごい勢いで刺激に耐性作られいくわけでさ、その刺激と耐性の強度はどちらもちょっと他ジャンルじゃ見かけないくらいで、かつそれでも飽きさせないプログラムを提示してくるのだから、感服した。間と集中、緩急と大小、そして色彩と音響。たいへんなデザイン能力だと思うわ、もしその設計をデザインと呼ぶのならば。 帰りはものすごい混雑で江の電に乗車拒否され、家まで10km、海沿いを歩き切ってしまった。さすがにちょっと疲れたけど、すでに見慣れ始めたこのR134をまた違うスピードで味わえたので良しとしよう。


鎌倉の花火大会の陣取り中。この直後電池が切れて、肝心の花火は撮れずじまい。すごい人手でえんえん江の電に乗れず、結局歩いて帰ってきた。ビーサンで10kmはさすがにちょっとかったるくなるね。