2000/7/28 4:11 ブラウザを閉じて
前はそんなことなかったはずなんだけど、なんかつきあい方がテレビみたいになっちゃったからさ、最近。ブラウザ立ち上げてる時間少し減らしたほうがいいんじゃないかって考えてる。なんでも昔はよかったって言うわけじゃないけど、モザイク以前の人がPCに向かう姿勢というか面持ちみたいなのちょっと思い出して。最近思い出してばっかりなんだけど。

2000/7/28 4:50 最近思い出したこと
■僕は小学5、6年、中1と、母が買ったミントグリーンの自転車を、自分のは別にあるのに、我がもののように乗り回していた。その緑の色味が気に入ってて、ちょっと自慢げに。
高橋葉介を最初に手に取ったのは、中1のとき、同級生のうちが経営するファミリーマートで、腸詰工場の少女。すっかり忘れていたのに高1のときに高松商店街のプレハブみたいな本屋で夢幻紳士怪奇編に再会。見てはいけないもののようで、何度も来店しては少しずつこそこそ立ち読みして完読。ついぞ買えなかった。いま思うとなんともはや。(先日サイン会に行きました。感無量。)
■暗黒関連でもうひとつ。小学校4年生のとき、学祭で知り合った近所の音大生のアパートに遊びに行って、ゲルニカの改造への躍動と、その子のやってたアングラニューウェーブバンドのライブテープを解説つきで聴かされたことがある。「イカリング」と「台湾慰安旅行」という曲はいまでも諳んじてるんだからおそろしい。そのときJuno-106に触ったのが始めてのシンセだったと思う。確かつぎの訪問のとき、僕はキープルのインディーズ特集をおみやげに持参して、君もインディーズデビューすればいいじゃん、とのたまった覚えがある。名古屋出身のメガネっ子で、植木小百合さんとおっしゃった。しばらく行き来したあと、彼女に恋人ができて疎遠に。

2000/7/28 5:08
ほんとうに最近は思い出してばっかりで、小4のときにブラジルから転校してきた岩本志郎くんが見せてくれたピラニアの剥製、中2でレバノンから帰国してきた荒木くんが見せてくれたサソリの干物、ビースティー初来日の記事を見せてくれた田中祐介、罪人ヅラが印象深い小宮の家の電話番号は37-3750(ミナミナゴン)。ありがちな感慨だけど、人はほんとうに入力された感覚すべてをアーカイブしていて、トリガーさえあればいつでもそのすべてを引っ張ってこれるんだと思う。そんでここのところ、僕はそこにアクセスする経路が拡がったまま開きっぱなしみたい。

2000/7/28 5:13
ちなみに最近のことはというと、これがまたひどいありさまで、打ち合わせが日に3件を越えると早いほうから忘れていく、しまいには朝食べたものが思い出せなくなる、という体たらく。いかがなものか。

2000/7/28 5:35
最近シリーズ、もうこれでやめにするけど、最近毎日とても充実していて楽しいです。こんなこと言うと「正気か?」って疑われそうだけど、いやだいじょうぶよ。しらふしらふ。で、もう何を見ても聞いても、どんな音だろう、どんなことが書かれてるんだろうって気になって気になって、もちろんくだらないものも多いんだけど、でも手に取るものはどれも「うひゃー」って声に出しちゃうくらい新しい発見に満ちていて、それこそモノクロだった世界が総天然色(ひどいクリシェ)状態というか、「おかえりなさい、私のキラキラした世界」って一事が万事そんな調子。ピクルスマスなんて言葉まで思い出す始末だよ。目の具合が思わしくないのと虫歯を治さなきゃならないのが気がかりだけど、肌の調子もすこぶるいいし、うん、要するに僕は元気です。

2000.7.28 6:07
気狂いじみた物言いだったんじゃないかと心配なんで、やっぱりすこし付け足させて。あのね、自分の読書や音楽の聞き方があんまり質のいいものじゃなかったって気づいたのよ、先日。ふとしたことだったんだけど。それで、こんなの読書じゃなくてただの消費、つまりは乱読に過ぎなかったんだ、とか、ハンバーグとかナポリタンみたいにわかりやすいテイストの音にばかり囚われていた、とか、知識も経験も乏しいくせに妙にわかったような顔ばかりして、とか、使いやすさにばかり気を取られていてどんな音楽が好きなのかも忘れかけてた、とかもろもろ「あちゃー」ってのはあるんだけど、なによりニュートラルにものごと見えてる気がするんだ、それ以来。もちろん俺バイアスみたいのはなくならないし、むしろ大いにけっこうなんだけどさ、レコ屋のポップとか書評とか、激ヤバ超マスト!とか「押さえとかなきゃ」とか、そういう下世話なノイズがすっとなくなったんだ。気にならなくなった。そしたらなんかいい感じよってただそれだけの話。