日本に一時帰国して12月初旬に戻ってきてからきょうまでの1か月、ぶっちゃけなんもしてない。寝て過ごす時間が多すぎてさすがに不安になってきたので、走ってみた。4.2km、30分。

子供のころから30代前半まで、自分で発達障害を決めつける程度には失くしものが多かった。たとえば運転免許は8回再発行している。財布はその倍以上落としている。切符なんて電車に乗る前に紛失するのもしばしばで、けれど30代も半ばになってようやく、モノを失くさないためのシステムを自分でオーガナイズできるようになってきて、それは財布は持たない、カードはスマホケースに入れスマホは手に持つ、鍵はダサくてもカラビナにつけてベルトループ、切符は同伴者に預かってもらう、といったどうでもいいことの集積なのだけれど、劇的に失くしものが減った。

それが、ひさしぶりに大事なものを落としてガックリきている。ペンだ。これ輪にかけてどうでもいい話だけど、「新しい文章力の教室」の表紙に描いてもらったあのペン。少しでも文房具に興味ある人ならあれがLAMYのSafariなことはひと目でわかると思うんだけど、万年筆じゃなくてローラーボール、イエローじゃなくて限定色のネオンイエローであることが自分にとっては小さなおこだわりで、2013年の限定色だったから5年とちょっと、使ったことになる。

この5年を思い返せば自分の人生にとってイベントの多いシーズンで、婚姻届も、大学の願書も、会社関係の契約書類も、出生届も、親の死亡届もこのペンで記入したのだった。同じのを買い直したい気持ちにもなったのだけれど、何か過去にしがみついているみたいで少し気が引ける。2015年のネオンライムを使わずにしまいこんでいるので、心機一転それに変えることにしようと思う。

Safariローラーボールはやたら太いのとインクがにじむので、スムースなゲルインクが使われているSarasaやシグノの替え芯に交換する人が多いけれど、私は純正の安定しない書き心地がむしろ好ましく思えて、いろいろ試した末に純正のブルーブラックを使っている。なんでも高性能ならいいってもんじゃないというのも、わかるようになったのは30代に入ってからな気がする。