列車がレールを叩く音で目覚める。路線図ではこんなところ電車は走っていないので頭でも狂ったのかと思ったのだが、カーテンを開けてみるとホテルの裏手が一段低くなったところを確かに地下鉄が走っていて、なんだこれと思って地図を見てみると、グリーンウッド墓地とサンセットパークのあいだに地下鉄の車両基地があって、そこにつながる引き込み線のようだった。まあでも、電車はやかましくとも排ガスを出さないから、それほど嫌ではない。

チェックアウトしてレンタル自転車を借りて、きょうはブルックリンの行ったことないエリアをつぶして土地勘をつけていくつもり。グリーンウッドからパークスロープ、クリントンヒルからベッドスタイ、フラッシングav駅から北上してウィリアムズバーグの東側。うーむ。だいたいわかってきたぞ。citi bikeは30分以内にいったんドックに戻さないと料金が加算されてしまうのでかったるいが、それ以上にドックが至るところにあるので、ボストンの同じシステムよりだんぜん困らない。

いったんチャリを返してサブウェイでウォール街へ。ビザのことをお願いしようと思ってる弁護士さんと面会。いい人だったので本依頼する。またciti bikeを漕いでSOHOのコンちゃんちに立ち寄って、またチャリでブルックリンハイツに出てユザーンとお茶。あのあたり雰囲気よくてすごく気に入ったけど、あとで賃貸サイト検索したら死んだ。たぶんブルックリンでもっとも高い。ブルックリンが東京と似てるのは、標高と地価がけっこう比例しているところだ。パークスロープも坂道を上り切った公園沿いがいちばん高いと聞く。

ダウンタウンのタワマン街をうろうろして(低層階が思ったより安くて、タワマン住むのはダサいけどありかもしれない。こっちは地震のリスクもないし)、ハンちゃんとヨハンと待ち合わせしてマンハッタンのコリアンタウンで夕食。ハンちゃんたちは去年に続いてマシューギャリソンがオーナーをつとめるシェイプシフターラボで下働きのバイトをしながらマシューのレッスンを受けている。とてもいい選択だし、間違いなく彼らの音楽人生にとって宝となるような日々だろうと思う。出会った頃よりお互い英語が上達しているので数時間おおいにしゃべり、バスの時間でバイバイ。

グレイハウンドはいきなり1時間半も発車遅延。バスターミナルがクソ寒くて座るところなくて最悪だった。いちど走り出してしまえばそんなに悪くはない。NY郊外を過ぎてコネティカットに入ると高速道路の街灯がなくなって、星明かりのなかをヘッドライトだけ頼りに走り続けることになる。子供の頃に何度か行った富士山での天体観測とか、あと96年にタクラマカン砂漠をバスで一周したことなど思い出して、とてもよい気持ちになる。サウス駅からウーバーで(正確にはLyftで)帰宅して、風呂。うちの風呂が最高!