旅の疲れで金土と完全に伏せっていたのですが、日曜午後からようやく動けるようになり、まずはようやく組んだスケートボードの試し乗りをしたところ、まったく取り戻せず、しばらくスケーターを名乗るのはおこがまし死するなーとしみじみ思った次第。晩飯を食して仮眠など取っていたら、FBのメッセに「ごめんちゃあああい」という謎文言。差出人は? BIGYUKIだ!

開いてみると、水曜に会ったとき「近々ボストンにマティスヤフのツアーで行くんで、そんとき連絡するんでぜひ来てください」っておっしゃってたのが、「すんません5分後に弾き始めます」という、さすがに40年生きてても見たことのないタイムスパンの事前告知として届いたのだった。チャチャっと検索するとチャリで5分くらいのボストン大学の講堂。パジャマだったけど、気合い入れて出かけた。

入ってみて度肝を抜かれたのだが、ローがアホみたいに出ている。自分で言うのも恥ずかしいけど私も人生のある時期をクラブ通いで過ごした人間のひとりであり、それとは少し時期がずれるもののダブ・レゲエ・ドラムン方面に興味を持ってそれなりの数の現場を見てきたわけで、ちょっとやそっとの低音じゃ驚かない自負はある。それがなんつうの、これ頭おかしいわってくらい出てんのよ。35Hzくらいがブイーン、ビリビリビリって(服が震えて肌を叩く)。

最近のベースミュージックはここまで出すんかね。いやでもおととしNYCでEDMのイベント行ったときは、ぜんぜんこれほどじゃなかったな。この界隈の人たちの低音感覚が、ラーメンの味覚みたいに年々麻痺してしまっているのだろうか。しかも中高域はマイルドに作っていて、聴きやすささえ備えていて、とにかくすごいPAだった。これに客が慣れてアメリカ標準になっていくんだとしたら、今後のポピュラーミュージックの音像全体がちょっとどうかなっちゃうんじゃないかって危惧するぐらいの感じ。

BIGYUKIはレゲエマナーも完全に踏まえつつ、2曲ほどあったジャムスタイルの曲では切れ味も見せ、ちゃんとお仕事してんなーと思った。ステージが終わってバックステージに招いてもらって、真っ先にしたのはベーシストのステュ・ブルックスをつかまえて機材を聞くことだった。もうひとり、ディアントニ・パークスとやってたっていうベーシストの人も気持ちは一緒で「あれペダル何!」。したらステュがめちゃくちゃいい人で、即答で「MEATBOXだよ。他のは置いてあるけど踏んでない。あれだけ」。

DOD MEATBOX!キワモノすぎてノイズの人が持ってるのしか見たことなかったけど、いま頃になってすげえ使われかたしてるんだなー。とりあえず買うか。でもあれそのまま真似してもつまらんなー、どう取り入れるかよくよく考えなきゃだなー。ちなみにシンベはモーグのファティと旧マイクロコルグだった。翌朝起きてもまだ胸のあたりに低音の響きが残っていて、ダブレゲエの世界だけならいいけど、R&B領域でまであの低音がアベレージになったらと思うと、ちょっと空恐ろしくなった。