ようやく新居が決まったのだが、とてつもなく難儀した。

いまの家も前の家も、連帯保証人にはタクヤになってもらっていたのだが、管理会社が同じ会社の人間では認められないと言い出したのだ。親族でなければならないと言う。さりとて父はすでに退職して長く、兄には諸経緯あって頼めないのだった。他の親族とはほとんど没交渉なので頼める人もいない。困った挙げ句、保証金ではどうかと提案したが、前例がないとの理由で断られた。

仕方なく家賃保証会社なるものを使うことになったが、こんなヤクザなものはない。だいたいが貸主保護のための制度の料金をなぜ借主が負担しなければならないのか、とんと納得がいかぬ。もっと言えば家賃保証会社から管理会社にキックバックがあるのが業界の常である。損はしたくないがむしれるものからはむしれるだけむしったろうという乞食のような性根が気に食わない。安田財閥が笑わせるわ。

新世紀からこっち、この国の精神風土が狭隘に、狭量に、そしてガチガチに保守的になっているのをひしひしと感じる。拝金主義は微塵の疑いも伴わず行き渡り、セキュリティの名の下にダイバーシティが急速に排除されつつある。そこからこぼれ落ちる者のことなど誰も顧みなくなっているように思う。この悪い流れをどうしたら変えることができるのか、私にはさっぱりわからない。ただ家賃1ヶ月分の保証会社使用料が乗せられた初期費用請求書を眺めて震えるばかりである。

(このあと保証人代行会社の審査に落ちるというオチがつき、8月1日現在、まだ引っ越し先は決まっていません。大家に泣き入れて退去期限を延ばしてもらった)